遥side



……腕の中に眠っている女の子は、幼馴染みの直人の妹の心《ここ》。



初めて会った時から人見知りでそのせいか、話せるまでに
かなり時間がかかった……



あの時も……




「悪ぃ、この子俺の妹なんだけど、かなり人見知りで、なかなか打ち解けるのに時間かかるかも……ほら…挨拶できるか?」


「……こー……ちわ………」


そう言うと、ぴゅーっと直人の後ろに隠れてしまった。


「こんにちわ―……無理に、話さなくてもいいからね?」


俺が優しくそう言うと、直人の後ろにくっつきながら、コクンと頷いてくれた。



直人の家に遊びに行くと必ず心《ここ》が直人にくっついてるか、服の裾をぎゅっと掴んで眠っている姿を見るようになった。


「……甘えてくれるようになったの?」


「んーいや、いつも端っこの方いたり、自分から俺らの方にとか一切来たり、我儘も甘えもしないからさ…まぁ俺から接して何とか。」




といいながら、頭を撫でていた。


「すー……すー……」


「……可愛い。」


「もっと甘えてくれていいんだけど、自然とまではもう少しかかりそうかな。」