体育館を出た。

頬は腫れてるし口は切れてるから血が滴っていて、
先程の殺気は弘樹くん達が来たからか収まっている。

小さな声で、

「おろ…して……」

「ダーメ。心彩嬢、クラっとしてたし、降ろしたら倒れそうな気がするから病院で診断するよ。俺の首に腕を回して落ちるから。」


「弘…樹君…の…スーツ……汚しちゃ…うもん」


「気にしなくていいから。ほらっ。…お嬢軽すぎ。よくあの殺気出せたね……心配になる。」



弘樹君の有無を言わせない圧力に負けて、静かに首に回し首に顔を埋める心彩。


「ううっ、…ごめん…なさい。あんな…出せるとは思ってなかった…んだもん」


謝った心彩に弘樹君は、頭を撫でつつ


「よーしよし。溜まったモノが一気に爆発しちゃったね。」



いつもの人見知りの可愛すぎる子に戻っていた。



車に着き、鍵を開ける弘樹君。


助手席に、俺で、後ろの席に藍くんと心彩。