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幸我side


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もう春だというのに、まだまだ肌寒い日の事だった。

そんな、いつもと変わらぬ朝の出来事だったのを覚えていて、俺の初恋だった。


あの時は─────

中学の頃。


小学校の時も同じメンバーと居て。
俺らが、クラスの中心で、ボス的存在で、敵に回しちゃイケない存在と言われていた。


兄の虎我《たいが》、椿《つばき》

小川 蓮《おがわれん》、野上 駆《のがみかける》

これが、いつものメンバーだった。


入学式の日に、4~5人の先輩を含む
龍平と心彩を見て、俺の自然に出てた言葉は…

『‥‥あの女の子、可愛い。』

気づいた時には、声に出てたみたいで
言葉を拾った椿が聞いてた。


あの時の、心彩の印象は、
ちょっと眠た気のフェロモンだだ漏れだしつつ芸能人とかしてるような雰囲気が大人ぽく見えた。

それに、独特の雰囲気を持っていた。

髪は、ふわりと揺れて。触り心地も、良さそうだなと思いつつ護りたくなるような、
可愛い女の子って感じの印象だった。


「俺、ちよっと行って来るわ…」


そう、言って、椿は、4~5人の先輩を含む龍平と心彩がいる中に入って行った。


「おはよー。心《ここ》に、龍平《りゅうへい》ここの学校だったんだね。」


椿が挨拶をして


「…藍《らん》くんもここの学校だったんだね。」