私はこの上ない衝動に駆られた。
 だめだ。
 欲しすぎる。
 絶対にこの腕に抱きたい。
 一緒に家に連れて帰りたい。

「か、かわいい〜っ!!」

 だって。
 可愛いんだもん。
 モフモフもよし。
 気まぐれくんもよし。

「なっ……! イズミさ、すごい見惚れてんじゃん」

 横から友達の声がしようが私は構わず見つめていた。
 ガラス越しに見る可愛い彼、彼女たち。
 無邪気に走り回る愛くるしい姿。
 うーっ!
 抱きしめたいっ!!
 この腕に〜。
 必ずや。

「可愛いけどやめなよ? 独身女が猫とか飼い始めたら終わりだって言うじゃん」

 いや、そうだ、……終わっても構わない。
 と、いうかもう女として終わってる気がしてる。

「イズミ〜!」 

 私は親友が止めるのも聞かず構わず躊躇《ためら》わずその禁断の園に足を踏み入れていた。

「いらっしゃいませ!」
「ふはぁっ……。ま、まぶしい」
 
 イ、イケメンっ!
 ピカーッと眩しい。
 イケメンすぎる、イケメンがにこやかに私に微笑みかけてきてる。

 もはや天使か神様かと見まごうぐらいに尊すぎるぐらいのかっこよさを醸し出してる男の人が立っていた。

 そこにはものすごい笑顔が目に眩しい、ピカピカと輝いたペットショップ店員さんがいた。