「今日イズミさんとお話して僕は確信したんです。あなたのことを知れば知るほどに、もっと大好きになるって」

 私は胸に敦智さまの言葉が甘くあま〜く広がっていくのを感じた。
 私の人生には「彼」がいたことがない。
 今までの人生で流した寂しさや悔しさや孤独の涙でしょっぱい私の心に、敦智さまの告白が沁《し》みわたる。

「ありがとうございます。私もあなたのことが好きです。私を好きになってくれたあなたが好きです」

 男の人から好きになってもらえた。
 心から思った。
 人と心が通じるって素晴らしいことだってコト。

「あっ。本当に? ……やった、嬉しいですっ。それでは僕と正式にお付き合いしていただけますか?」

 優しく笑顔を向けてくれる敦智さまに私の答えはもちろん!

「はい。これからよろしくお願いします。嬉しい」

 敦智さまは私の瞳を優しげに見つめてくれる。
 私は敦智さまに優しくしっかりと手を握られてデートの続きをする。

 私たちは彼氏と彼女になって。
 恋人同士になった。

 二人で一緒に観た「ネコ探偵シリーズ」のお揃いのキーホルダーを買ったよ。
 とっても嬉しい……。
 私と敦智さまはさっそくキーホルダーを付けてみた。
 私はポシェットに、敦智さまは鍵に付けていた。

(かっ……彼氏とお揃いのグッズだよ。嬉しすぎる)

 私のポシェットのチャックのところで、彼と……敦智くんとお揃いの可愛いネコ探偵のキーホルダーが揺れている。