「今日の記念になにか買ってもいいですか? 僕とイズミさんでお揃いの物にしたら持っててくれますか?」

 えっ?
 ええっ! お揃いっ?

「は……はい」

 にこにこしながら敦智さまはさっき観たばかりの「ネコ探偵シリーズ」のグッズをじっくり見始めた。

「どれが良いですか?」

 うーん。
 どれもこれもいいなあ。

「イズミさん」
「はい?」

 私は横にいる敦智さまの顔をドキドキして恥ずかしくてまともに見れずにいた。

「こんなところで、なんなんですが」
「はい?」

 私は初めて敦智さまの瞳をしっかり見ていた。
 敦智さまも私の瞳をしっかり見ていた。
 敦智さまがなぜか真剣な顔に変わる。
 いつものにこにことした笑顔ではない。

「僕はイズミさん……あなたが好きです。この間ペットショップで犬や猫を見ているあなたのイキイキとした姿に一目惚れしてしまいました」

 ええ――っ!!

 なんですと〜?!

 モフモフたちを欲しがるあんな私の欲望丸出しの姿に惚れたなどと、ほっ本当に仰《おっしゃ》ってます?
 
 敦智さま……? 

 これは愛の告白?
 世間で言うところの告白というやつでお間違いありませんか?