「は、華村さん、ちょっと、いいかな?」


私、華村さんに言わなきゃならないことが
あるの、そう言って華村さんと壁沿いに移動。


「...話って?鈴森さん。」


にこりと笑って尋ねる華村さんに
心臓がドクっと音を立てた。


...言わなきゃ。
このままじゃ華村さんにも失礼だ。


「あのね、わっ、私!
 はるくんのことが好きなのっ!

 華村さんに協力するって
 約束しといて、最低なこと言ってるのは
 分かってるんだけどっ、」


反応が怖い。でも、言わなきゃ。
弱い心を奮い立たせて
華村さんの目を見る。


「ごめんなさいっ!
 はるくんのことが好きって、
 気づいちゃったから
 やっぱり協力できないっ!」


「... 。」


目を一瞬見開いた後、
すっと目を細めた華村さん。


...やっぱり怒ってる、よね... 。