優愛ちゃんは黙って真剣に私の話を
聞いてくれている。
「おかしいの。
自分でそう決めたのにね、
華村さんがはるくんと仲良く
してるの見ると、
胸が苦しかった... 。」
「紫乃... 。」
この胸の痛みは、きっと。
「たぶん私、はるくんに、
恋してる... 。」
声に出すことで、やっと
この気持ちと向き合えた気がした。
「そっかぁ... 。
中学ん時は全く男子に興味なかった、
鈍感すぎる無自覚天使も
ついに恋かぁ... 。」
優愛ちゃんはどこか
嬉しそうな表情をしている。
「よし、紫乃!
恋したならやることは1つだよ!」
「なにするの...?」
「決まってるでしょ!
アピールよ、アピール!
ライバルに負けないように
相手に意識させなきゃねっ!」
「アピール... 。
私にできるかな...?」
「できる!紫乃はもっと自信持って、
もともとが可愛いから!
私も協力するから一緒に頑張ろ!」
優愛ちゃん... 。
なんていい友達なんだ... 。
「うん!ありがとう!
優愛ちゃん大好き!」
満面の笑みで優愛ちゃんに
感謝を伝えた。
「〜っ、もう、可愛すぎ!」
優愛ちゃんに頭を撫でられる。
「...まぁ、天野くんはすでに
紫乃にベタ惚れだと思うけどね... 。」
「...ん?優愛ちゃん、なんか言った?」
「なんでもない!」