__その夜。


「...ねぇ、紫乃って、
 天野くんのこと、好き?」


「...え、」


肝試しから無事に帰ってきた後、
布団に入った私と優愛ちゃん。


寝れないでいると、
優愛ちゃんに声をかけられた。


「...紫乃、今日、なんか変だったから... 。
 天野くんと華村さんが近いの見て、
 苦しそうな表情してたし... 。」


隣で寝ている優愛ちゃんは
なにか思い出しているような遠い目をしていた。


ふいに話したくなって口を開く。


「...優愛ちゃん、
 私ね、なんか今日おかしいの。」


「...おかしい?」


「うん。

 カレー作ってる時に華村さんに、
 はるくんと仲良くなるために
 協力して欲しいって言われて。

 はるくんも美人で大人っぽい華村さんと
 仲良くなれるの嬉しいかなって、
 お似合いだしなぁ、
 って思って協力するって決めたの。」