...私、華村さんに協力するために、
はるくんじゃなくて、西村くんを
選んだのに。


はるくんも華村さんと距離が
縮まってるように見えたのに。


__なんで、


「紫乃が無事で、ほんとによかった...っ。」


なんで、そんな泣きそうな顔で笑うの?


なんで、こんなに優しくしてくれるの?


「...紫乃、立てる?
 あっちから出れると思うから行こっか。」


「うん... 。」


はるくんと手を繋いで歩く暗がりは。


さっきまであんなに怖かったのに
全然怖くなくて。


このままずっと手を
繋いでいられたら、って思った。



__あれから廃病院を出て、
外で優愛ちゃん達と合流した。


だいぶ心配をかけちゃったみたいで、

「紫乃〜!ごめんねぇぇぇ〜!
 私が守るって言ったのにぃぃぃ〜!」

って泣きながら抱きしめてきてくれた
優愛ちゃんに私もつられて泣きそうになった... 。


華村さんも外で待っててくれてて
すごく申し訳なかった... 。