最悪だ... 。


突然聞こえた大きな物音に
思わず叫びながら走ってしまった。


我に返った時にはもう手遅れ。


どこを走ってきたかも分からず、
完全に迷子だ。


その上懐中電灯は優愛ちゃんが
持っているため、廊下の壁際に
うずくまって座ることしかできない。


うぅ...っ。怖い...っ。

だれか...っ。


「...はる、くん... 。」


思わず名前を呼んだけど。


今は華村さんと仲良く肝試し中のはずで。


自分の気持ちに素直に向き合えないままの
弱い私にバチが当たったのかもしれない... 。


自分は、はるくんと釣り合わないし、
このままの関係でいたい、って。


美人で私と違って行動力のある華村さんなら
はるくんとお似合いだから、って。


自分の気持ちに見なかったフリをして
華村さんに偽ったまま、協力して。


...ほんとは、すき... 。


ほんとは、幼い頃から
ずっと、ずっと私の初恋だ。