「...わっ、私も!
私も西村くんと一緒がいい!」
すかさず声をあげた。
これはチャンスだ。
私と優愛ちゃんと西村くんで
一緒になることで、
華村さんとはるくんを...2人にできる。
「...紫乃は、俺より西村を選ぶってこと?」
はるくんの冷たく、昏い声。
目は、見れない。
「...っ、うん... 。」
...ほんとは、はるくんと一緒が良かった。
でも、これで良いんだ。
はるくんにとっても、華村さんにとっても、
これで良い。
なのに。
「...ふーん。そっか。
じゃぁ、華村さんと仲良く
2人きりで行くことにするよ。」
__っ、わざわざ、”仲良く2人きりで”
なんて言わなくても...っ。
はるくんも、華村さんのこと...?
うまくいったはずなのに、
胸が苦しくて、苦しくて。
華村さんの嬉しそうな声も
聞こえなかった。