華村さんと、はるくん達の元へ戻る。


「...紫乃。どうしたの。
 なんか悲しそうな顔してる。」


「...えっ?気のせいだよ。
 全然なんにもないよ。」


はるくんに言われて慌てて
笑顔を作り直す。


私の心の変化に気づいてくれた
はるくんに、余計に泣きたくなった。


「みんなー。全員集まったみたいだから、
 廃病院まで行きまーす。ついてきてねー。」


学級委員長が話し始めた。


「あ、歩きながらでいいから、班の中で
 2人と3人の分かれ方決めといてねー。」


学級委員長の声に従って
ぞろぞろと移動し始める私達。


ちゃんと協力できるように
気を引き締めた。


「...なぁ、どう分かれる?」


1番に分かれ方の話を振ったのは西村くん。


「んー。とりあえず私は
 紫乃と一緒がいいなぁ。」


「...私も優愛ちゃんと一緒が良い!」


便乗する私。


...とりあえず、まずは、優愛ちゃんと
一緒がいいって言えば、自然にはるくんと
私が2人になることは避けられる。


それに、意思表示をすることで、
じゃんけんにしよう、とかいう案が
出ずに済むはず... 。