__優愛ちゃんにはるくんのお話を聞いてから。


ずっと私は頭の中で考え込んでいる。


「まぁ、紫乃はいつも通りの感じで
 なんにも気にせずに、天野くんの
 そばに居たらいいと思うよ。」


初めて聞いたはるくんの過去に
言葉を失った私に、優愛ちゃんはそう言った。


でも... 。


__学校が終わり今は、はるくんとの帰り道。


さっき電車を降りて、もうすぐ家につく。


でも、私ははるくんの顔を見ることができなくて、
ずっとお互いに無言だった。


...あ、家ついた... 。


どこか微妙な空気が流れたまま、2人で家に入る。


「...紫乃、何かあった?
 お昼休みの後ぐらいから
 なんか考え込んでる感じだけど。」


リビングに入ったと同時に
後ろからはるくんに声をかけられた。


はるくんには何でもお見通しなんだなぁ...。


「...なっ何にもないよっ!」


慌てて笑顔を作る。


「...そっか。
 俺には話せないってこと?」


悲しそうなはるくんの声にハッとした。


このままだと、私がはるくんを傷つけちゃう... 。