「昨日から気になってたけど、
紫乃と天野くんってどういう関係なの!?
洗いざらい話してもらうから!」
ビシッ!と人差し指を指した優愛ちゃん。
「うぅ... 。はい... 。」
なぜお昼休みに、私が優愛ちゃんから
尋問を受ける寸前なのかというと。
__遡ること約四時間前。
「「「キャァァァ!!」」」
校門から校舎へと向かう道で
朝から悲鳴にも似た女子の叫び声があがる。
...その理由は。
隣を歩く相変わらず顔が整いすぎている
幼馴染をチラッと見る。
「...ん?なに?紫乃。」
視線に気づいて不思議そうな表情で
見つめてくるはるくん。
「...なんでもない。」
はるくんはこんなに好奇の視線が注がれているのに
全く気にしていなさそうな様子。
...私は女の子からの嫉妬で、
呪われたりしないかハラハラしてるのに。
校舎に入り、教室に着くまでも
ずっと周囲は騒がしかった。
「え、あの女嫌いの天野くんが天使と歩いてる!?」
「...俺らの天使が... 。天野には誰も勝てねぇよ... 。」
「「「キャーッ!お似合いすぎる〜っ!!」」」
...騒がしすぎて皆がなんて言っているのかは
聞き取れなかった。