__大好きな幼なじみが引っ越してから7年。
あれから、はるくんのことを忘れたことはない。
淡い初恋を忘れられない私は当然、恋愛経験が全く無いまま15歳になり、今日は高校の入学式である。
歩いて駅まで行くと、すでに待ち合わせしている親友がいた。
「優愛ちゃん!おはよ!」
「おはよー、紫乃」
吉川 優愛ちゃんは中学校からの親友で、高校での唯一の知り合い。
いつも危なっかしい私を助けてくれたり、
相談に乗ったりしてくれる、心強い自慢の親友だ。
「優愛ちゃんすごく制服似合ってる... 。
モデルさんみたい!」
優愛ちゃんはスタイルが良くて、顔も美人さんで、
モデルのように制服も着こなしている。
「ふふっ、ありがとう!紫乃もめちゃくちゃ可愛いよ!ていうか何着てても紫乃は天使...」
「えっ!ほんと!? 私、優愛ちゃんより身長低いし、
スタイルよくないから不安だったんだけど... 。」
「もう!ほんと紫乃は自覚なさすぎ!」
「へ?自覚...?」
自覚って何のだろう...?
心の中で首を傾げた。