「ふふ、じゃぁ、ここ座って。」


はるくんは嬉しそうに微笑みながら、
自分が座っているソファーの下を指してくる。


「...うん。」


「ん。乾かすね。」


ブォォ... 。


...っ。やっぱり断るべきだった...っ!


早くも後悔。


後ろにいるはるくんとの距離が近すぎる。


それに、優しく髪の毛を()くはるくんの手に、
ドキドキが止まらないっ...!


時々指先が耳に当たってピクッ、と反応してしまう。


早く終わって...っ。


「...よし。おわったよ。」


ドライヤーの電源を切ったはるくん。


や、やっと終わった...っ。


ホッとしたのもつかの間。


「紫乃の髪の毛さらさらでいい匂い... 。
 ...んー、紫乃の匂い好き... 。」


なぜか、私の髪の毛を一房すくって
匂いをかいでくる。


「ちょ、ちょっと!?はるくん...っ!」