そんなに中途半端に授業をする必要はあるのだろうかと考えつつも、教室に満ちた人の声をぼんやりと時間を過ごしていた。
 周囲を伺うように、チラリと視線を巡らせたあとそっと瞼を閉じる。

 どういった学校生活になるだろうか。
 自分の扱いは、クラスの中でどういう位置付けにされるのだろう。

 考えても仕方の無いことではある。
 積極的に、この地味な見た目をやめようという気持ちは彼女にはなかった。
 派手な見た目の周囲に馴染むつもりも、あまりない。

 友達は、もしかしたら出来ないかもしれません。
 学校生活も、今のうちと言いつつまともに過ごせないかもしれません。

 けれど無理に交流するような質でもないため、「仕方の無いこと」だと諦めてスっと瞼を開けた。眩しいほどに綺麗な教室、窓の外には美しい白を湛える校舎。満ちる鮮やかな色彩も、仲良くなれればきっと楽しい気持ちになれるのだろうけれど、周囲と上手に足並みを揃えることなどもう数年していない。