目の前でそんな話が繰り広げられる中、おもむろにホワイトシルバーの髪の男が海の隣に当たり前のように座った。

「……何を?」
「昼飯?」

 困惑混じりに発した言葉に、不思議そうに返されてしまい頭を抱える。
 どういうペースで生きているのだろう、この目の前の男は。

(あおい)まさか一緒にご飯食べるの? やめてあげなさいよ、後輩を困らせるのは」
「いやまぁ、俺は咲月(さつき)ちゃんと葵がいいなら一緒に食べるのは構わないけど」

 どうやら、他の面々も困惑するような自体らしい。
 この中で今平然としているのは、葵と呼ばれたホワイトシルバーの男だけだ。

「さっさと食わないと、昼休みが終わる。それに教室で食いたくないからここに居るんだろ。かえされても困るんじゃないか」

 な? と言いたげに向けられた視線にどう答えるのが正解だろうか。
 何も間違ったことは言っていないのがタチが悪い。

「あー……うん、そうね。どうしましょう? あなたは……平気? 私たちとお昼一緒になっても」

 ひどく気遣うようなその声色と表情に、こちらが申し訳なくなってくる。