「転校生が阿呆みたいなローカルルールなんて知るわけないでしょ！　一般生徒に何吠えてんのよ」
「まぁ、その通りではあるよね」

　さらに追撃と、美人は躊躇なくそのスラリとした綺麗な指をぎゅっと握り、赤髪の彼の頭へ躊躇なく振り下ろした。
　同意する温和な男に、痛みに抗議する赤髪。
　それをどこか他人事のように眺めていたホワイトシルバーの髪の男が不意に海に声をかけてきた。

「お前、どこから引っ越してきた」
「えっ……？」

　声をかけられるとは思わず固まる。

「関西……京都の方から、来ました」

　その返答に頷いて見せれば、温和な男がクスリとその見た目にお似合いの控えめな笑い声を発した。

「関東ですらないなら本当にこの子は、なんの落ち度もなく迷い込んじゃっただけの被害者だよ瞬(しゅん)」
「は〜？　分かんねぇだろ、んなこと」
「駄々こねるガキじゃないんだから。自分が人気だという自惚れは捨ててごめんなさいしようね」

　なんとも物言いが辛辣である。