しばらく読んでいるとチャイムの音がなりハッと顔を上げ本を鞄に入れる。



ガラガラとドアを開け担任と思われる男の先生が入ってくる。



その先生はみんなに人気の久保寺先生だった。



みんなには久保センや久保っちの名で慕われている陽気な先生だ。



あんま話したことないんだよなあ、まあとりあえず話を聞こ。



｢よーお前ら！担任の久保寺だ。よろしく。｣


｢えー久保っちかよー｣


｢久保っち彼女できたー？｣


｢なんだお前ら文句でもあるのか？
彼女できねーんだよ！なんでだと思う！？｣


｢あはは！しらねー。｣



というような会話がされている。



苦手な先生かもな、私は気を落とし窓の外を見る。



私の席は窓側の列の真ん中なので窓からグラウンドの様子や空などがよく見える。



今日の空は何色なんだろうな。



私は、たまにこの世界が何色なのか分からなくなる。


また久保センの方をむくと

｢お前らー始業式始まるまでに体育館に移動しろよー。場所は行ったらわかる！｣


｢適当かよ！w｣


と教室が笑いに包まれる。



私がそれを眺めることしか出来ないのはクラスに馴染めないからだろうか。



チャイムがなり、久保センが教室からいなくなると、みんな移動をし始める。



人が少なくなったら行こうかな。



しばらくすると聞こえる声が少なくなってきた。




そろそろ移動しようかな。



席を立って教室を出ると隣のクラスから話し声が聞こえた。



隣のクラスまだ残ってた人がいたんだ。



私は1組の教室を通り過ぎ、階段を降り始める。



体育館までは階段をおり、渡り廊下を渡らなければいけない。



意外と遠いから少し急ごうかなと早歩きで歩く。