模擬デート、二回目がやってきた!

「えへへ……」

 楽しみすぎて、笑顔がこぼれてきちゃうよ。

 でも、怖いんだ。

 プランが全く同じな斎藤兄妹に、デートが壊されないかなって。

 や、やっぱり、わざとなのかな……?

 信じたくないけど、そうとしか考えられないんだよね。

「ウジウジしててもダメかなっ。よーし、行こう!」

 最初の模擬デートとは打って変わって、楽しみだなんてこっちも信じられない〜。

 なんて幸せに満ちながら、私はデート場所へ向かったんだ。

「雅くん、おまたっ……え?」

「あー、輝夜ちゃんおはよー」

「輝夜、助けてくれ……こいつが鬱陶しすぎる……」

「わぁー、こいつとかひどいよ、雅〜」

「どうしてっ、ここにいるの……? 杏梨ちゃん……っ」

「え? なんでって……決まってるでしょ? 雅を奪うためだよ。りー兄(りーにい)も輝夜ちゃん奪いたいって言ってるし。チャンスだなぁって」

「でも、デートの妨害は、違反だよ……? 退学もありうるって、咲河先生言ってたもん……」

 ルンルン行ってみれば、斎藤兄妹が雅くんと一緒にいたの。

 杏梨ちゃんは、笑顔を満面に向けて、可愛らしく腕を組んじゃってる。

 これって、デートの妨害で合ってるよね?

 それに、待ち合わせ場所はみんな違うはずだから、知ってるとか、ストーカー行為と似てない?

 パートナー同士しか知らないはずの待ち合わせ場所にふたりがいるってことは、盗み聞きとかをしてたってことだよ。

 ひどいっ……こんなにすることないよ、杏梨ちゃん……。

 たぶん、今にも泣きそうな顔をしているだろう私を見て、雅くんは焦った様子。

「俺がきたら、こいつらが待ってたんだ。それで、急にくっつかれて……離そうとしても、力強くて離せねぇし……輝夜……」

「雅くんのことは疑ってないよ、ありがとう」

「わーわー、仲良しこよしやめてくんない? 鬱陶しい」

 目つきがキッと睨む感じに変わった杏梨ちゃんに、私はビクリと怯えてしまう。

 怖、い……。

 お化け屋敷も苦手で、すごくビビりな私にとって、杏梨ちゃんの冷たい視線は恐怖に近い。

 どうしよう、杏梨ちゃんが恐怖症になっちゃいそう……っ。

「ふんふんふふーん……って、あら? ちょっとちょっと、斎藤さん? どうしてここにいるの?」