「大丈夫だ。輝夜も、もう謝るな」

 ポスッと頭に手を乗せられて、ドキッと胸が高鳴る。

 うわぁあ、好きかもって自覚したら、こんなにもドキドキしちゃうの!?

 好きじゃないのに……好きじゃないのに、好きって勘違いしちゃう〜。

 わっ、私、採火くんのときだってこんなにときめいたりドキドキしてなかったのに……うぅ。

 やっぱり、好き……なのかな?

 出会ったばかりで失礼な気もするけど……。

「雅くんっ! 残りの時間、たっくさん遊ぼう?」

「ああ」

 それから私達は、星ノ宮遊園地へ向かった。

 また、学園内にある世界でもトップクラスに大きい遊園地なんだよね。

 時間があまりないから、遊園地だけ乗ることにした。

「うわぁ……高〜い! 雅くんも、見てみな……よ?」

 すると、すっごい怯えた様子の雅くんが見えた。

 もっ、もしかして、高所恐怖症だったりする!?

 怖いかなぁ……で、でも、可愛いっ。

 トキメキを感じたのも束の間、また婚約チェッカーの恋愛度数は全部上がった。

「高所恐怖症だったり……するの? 雅くん。だったらごめ……あ」

 ごめんはダメなんだっけ。

 危ない危ない。

「そ、そうだ……ひっ」

 ポカーンと、私はあっけらかんに口を開ける。

 それからふふっと私は笑った。

 だって、さっきはあんな喧嘩最強でかっこよかった雅くんが、高所恐怖症でビクビクして悲鳴を洩らしちゃってるんだよ?

 可愛すぎるよ〜。

「大丈夫だよ、雅くん。綺麗だよ?」

 それからふたりで見合って、綺麗だねって笑い合って。

 その日はきっと、いつになっても忘れない、大切な楽しい一日になったんだ。