道を歩いていると、焼きそばのいい匂いがした。



「ねぇ廉。私、焼きそば買ってくる。他にもなんか買ってくるかもしれないから、適当にやってて」



繋いでいる手を離すのは嫌だったけど、仕方がない。


今にもお腹がなりそうで仕方がなかったからだ。

廉にぐぅ~、なんて怠けた音を聞かれたくないから。



廉に手を振ってから、私たちは別れた。



***



「えぇっと⋯⋯。いちばん空いてる焼きそば屋さんは⋯⋯」