もう、いるかな?



周りをキョロキョロ見渡すと、いつもだったらいるはずの人がお祭り会場の方に行って、誰もいない公園にひとつの人影があった。

その人影は、公園の中でいちばん大きい桜の木の下にいた。



「あっ!廉!公園で待ってるっていうから来たけど、木の下なんて暗すぎて見えにくいよ!!」



せっかくなら、滑り台の前、とかブランコの近く、とかわかりやすいところにいて欲しかった。

まぁ1番いいのは、スマホで場所を教えてくれる事なんだけど⋯⋯


私は怒って頬に空気を入れ、ぷくぅーっとしてやった。

身長が廉の方が高いから、どうしても上目遣いになってしまう。