あぁ……やっちゃったなぁ……。

あれから一度も開いていないせいで通知が溜まりまくっているメッセージアプリを見つめながら、私はソファにダイブする。

私、絶対に華ちゃんに嫌われた……。

顔合わせるの、気まずい……。

ダブルデート明後日なのに……どうしよう……。

「はぁぁ…………っ」

いくら悩んでも結局解決策は出てこなくて、今日何度目か分からないため息を吐く。

「南、そんなにでかいため息ついてどうしたの?」

今朝家に泊まりに来た凌くんが、私の隣に腰を下ろして、優しく話しかけてくれる。

「凌くん……私さぁ……どうしたら良かったのかなぁ……っ」

「南……」

事情を全部知っている凌くんだからか、今まで溜め込んできていたものが涙と一緒に溢れてくる。

「わたっ、私……っ、だれ、も、傷つけないっ、ように……自分の、恋にふた、した、のにっ、結局……傷つけちゃった……っ」

凌くんに迷惑をかけるって分かってるのに、涙が、言葉が止まらない。

私は翔が好き。

その気持ちは絶対。

覆すことは出来ない。

……でも、それと同じくらい、翔は華ちゃんのことが好きなんだ。

それは華ちゃんも一緒。

だから、私が我慢すればいい。

そうすれば、翔とも、華ちゃんとも……。

「仲良しのままでいられる?」

……っ。

いつになく真剣な眼差しを私に向けてそう言った凌くん。

私の心を読んだかのように言ったその言葉に驚く。

「凌、くん……?」

「南、今そう思ったでしょ。……あのね、人を好きになる権利は、誰にでもあるの、分かる?」

子供に言い聞かせるような言い方。