物心が着いてから、ずっと好きだった人がいる。

「翔、髪の毛跳ねてるよ〜」

「マジで?ちょ、みな、直して」

家が隣で、親同士が仲がいい、いわゆる幼なじみ。

生まれた病院も、生まれた日も一緒。

小さい頃の私は、なかなか周りに馴染めなくてずっと翔の後ろを張り付いていた。

そんな私を翔はいつも守ってくれて、私はそんな彼が好きだった。

でも……。

「え〜、しょうがないなぁ。……これくらい自分で出来なきゃ、華ちゃんに振り向いて貰えないよ?」

「……頑張ります」

彼には、片思いしている相手がいた。