夏のある暑い日、一人の少女がこの町を離れていった。
心に二つの大きな傷を残したままで。
 自分で作った罪でもないのに、あいつと別れなきゃいけないお前、
別れのホームにはお前の友人とあいつが居た。
 お前は狂ったように泣いたんだ。 そしてこの町を去って行った。
 いつかこの町に戻ってくるんだぜ。
そしたら昔のように遊びに行こうな。

 春の良く晴れた日、一人の男がこの町を訪れた。
ちっぽけな恋と大きなロマンを抱えて。
 電話でしか話せない辛さに負けるな。 お前だっていつかは飛び立てるはずだ。
 この町はお前のふるさとさ。 俺たちはずっとここに居るよ。
 いつか、ふるさとを懐かしく思う時が来る。
あの日の俺たちを思い出す時が来る。
 荒波に揉まれて俺もお前もいつかはおじさんになる。
でもあの日のことは忘れないぜ。