男の子は、信用できなかった。


女の子は、もっと信用できなかった。



いつだって私は、見えない恐怖に怯えて、消えない不安を抱えて。

夢も持てず、恋も知らずに。


ただひたすらに、 "私" という存在を押し殺して生きていた。



痛みと、苦悩と、少しの希望が複雑に混ざり合う青春は、まるで不安定に揺らめく海の水面で。

深く暗い海の底に堕ちていくようだった。


そんな私の世界に、あなたと出会って光が射した。





……――知らなかったの、


世界がこんなにも広く、鮮やかに色づいていることを。





これは、私の初恋のお話。