男の子は、信用できなかった。
女の子は、もっと信用できなかった。
いつだって私は、見えない恐怖に怯えて、消えない不安を抱えて。
夢も持てず、恋も知らずに。
ただひたすらに、 "私" という存在を押し殺して生きていた。
痛みと、苦悩と、少しの希望が複雑に混ざり合う青春は、まるで不安定に揺らめく海の水面で。
深く暗い海の底に堕ちていくようだった。
そんな私の世界に、あなたと出会って光が射した。
……――知らなかったの、
世界がこんなにも広く、鮮やかに色づいていることを。
これは、私の初恋のお話。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…