この訳の分からない予想外の展開に、私は引き返すというのを完全に忘れ…愛しの彼が花火をしている様子を食い入るように見つめる。


なぜこんな昼間っから学校で花火をしているのか不明だが。男子というのは友人とこういう意味の無いことをする時間が楽しいのだろう。それにしても、、


───な、なんのご褒美っ?!



そもそも彼、蓮水さんはこんな校則破りをするような不良キャラではない。

どちらかというと目立たない存在で、静かで無愛想で、常に無気力で、無口でクールな存在で、、!!



ドラマのような「俺、ヤンキーだぜ。不良だぜ。昼休み花火しよーぜー!おい、センコーうるせぇぞ!」みたいなオラオラタイプではないし、




そういうヤンキーぽい生徒は他に存在している。もちろんそのヤンキー達と蓮水さんが絡んでいるところなんて見たことはないし、そういうのとは無縁だと思っていた。



とはいえ、彼の限界オタクである私は、彼のことを妄想するのが趣味みたいなところはあるので、、

【もし、蓮水唯斗が不良だったら】とか。



【もし、蓮水唯斗が暴走族だったら】とか。




そういった蓮水さんのことはもちろん妄想のなかではコンプリート済みなので。昼間から学校で花火をするなんて。前代未聞の校則破りをしている蓮水さんを見れる日が来るなんて、こんなに夢のような出来事はない。