この学校の試験を受ける前、私は有名な私立の名門校を受験していた。



女子高であるその高校の偏差値はかなり高く、日頃から勉強には力を入れていたつもりだったが、、



内申点が無かったのか、面接がダメだったのか、単純に筆記試験が悪かったのか不明だが、呆気なく不合格に終わった。



普通高校試験に落ちたとなれば、家族のみんなも気を使ったり、次頑張ればいいよ的な慰めが降ってくるところだが、、



私の家である【雨宮家】では、そんな失敗は許されるような甘い教育方針家庭では無かった。




その日を境に家族全員からの無視が始まる。私はもう出来損ないの人間、雨宮家には必要のない人間だとレッテルを貼られ、両親はもちろん・・・3歳年上の兄までも私を避けるようになった。




両親共に海外に会社を持っていて、ほとんど家には帰らなかったが、私が名門校に入れなかったことを恥じたのか、お金だけを置いて全く顔も見せないようになった。





兄に関しては、有名な東京の大学に合格し、家から通っているくせに、私の顔を見るなりため息をついて「早く出ていけよ、クズ」っと呟かれる。





そんな劣悪な家庭環境の中で私が思ったのは、めちゃくちゃ平凡な高校に入学して、めちゃくちゃダサい格好をして外を歩いてやろう。




っという、ちょっとした反抗心から今の高校を選び、陰キャラへと転身したのだった。