「あ、彩ちゃんおはよっ!どしたの……?」
なんだか怒っているように見えるその表情に、とりあえず明るく挨拶をする。
「おはよっ・・・じゃないよ!!あんたの頭の中は本当に蓮水唯斗しかないわけっ?!さっきからずっと呼んでるのにいっ!!」
「ご、ごめんごめんっ!そんな怒らないで…」
私が蓮水さんオタクであることは、彩ちゃんはもちろん知っている。
っというより、この学校で私が蓮水唯斗の限界オタクだと言うのは、実は結構有名だったりする。
なぜなら……
彼が球技大会で大活躍をした時、私はそのカッコ良さに悶え、その場で失神して倒れたという過去がある。
他にも、彼が書いた美術の作品がコンクールに出展されることになり廊下に貼りだされた時には、その作品の尊さに思わず絵の前で号泣してしまった。
1年の文化祭では、彼がたこ焼きを焼くと聞いて、80個購入して彼の焼いたたこ焼きを冷凍して、しばらく堪能したという歴史もある。
もちろんそんな目立つ行動をしていれば、周囲も薄々気付いてくるわけで……
【 雨宮花音は蓮水唯斗の限界オタク 】
っと一部の生徒の間ではすっかり認知されるようになっていた。