なんて、本当に夢のような出来事が起きたのは、もう二ヶ月も前の話。




あれから学校で蓮水さんを見かけても、見つめているのはいつも私だけで、蓮水さんは私の方を見ることは一度もなかった。






それでも、今の私にはあの日蓮水さんと撮った家宝である写真が三枚もある。天使の寝顔の写真は私の部屋の神棚に保管し、残り二枚はいつも肌身離さずに持てるように、生徒手帳に挟んである。





そして、たまにそれを胸ポケットから取り出し、一人でニヤけるというのがこの二ヶ月の私のルーティンになっている。





っあ、あの蓮水さんのブラウスはどうしたかって??




もちろん、返そうと思い、その日のうちにクリーニングに出して出来上がったものを持って蓮水さんに学校で話し掛けるタイミングをずっと伺っている。






っが、未だ話かけられずにいる私は、本当にチキン野郎で・・・蓮水さんとのあの甘い時間を思い出す度に鼻血が出てしまう重症ぶりだ。




「───花音っ!!」





急に友人である、櫻井《さくらい》 彩乃《あやの》ちゃんの声が脳内に響き渡り、現実に引き戻される。