「あの〜・・・非常に申し上げにくいのですが、、腰が抜けたみたいで動けなくてっ・・・すみません、暫くこのままで居てもいいですか?」



真下にある美しすぎる蓮水さんの目をジィーっと見つめてそう言った私に、蓮水さんは大きくため息をついた。




「はぁ・・・もうお前の好きにしろ。俺は寝る。」



蓮水さんそう言うと、静かに目を閉じてそれ以上何も言わなくなってしまった。


その寝顔を上から見つめて居ると、なんとも言えない気持ちが込み上げてきて、思わず涙がこぼれた。




──推しがっ・・・推しが尊すぎるっ!




この天使のような寝顔を、どうしても写真に収めたくて、私はノソノソと蓮水さんの上を這うようにして、ソファー横に転がっている私の鞄を掴もうと必死で手を伸ばす。



その中から"チェキ"を取り出すと、渾身の力を振り絞り倒れていた身体を起こして、蓮水さんの身体を跨ぐように膝立ちをする。



そして、相変わらず上裸の蓮水さんをレンズ越しに見て興奮しながらも、おそるおそるシャッターを切った。


チェキ特有の機械音が静かな生徒会室に響き渡る。



すると、閉じていたはずの蓮水さんがの瞳がゆっくりと開かれたので、驚きのあまりバランスを崩し、再び蓮水さんの上に倒れ込む。



「お前、マジで悪趣味な女だな・・・ストーカーの次は盗撮かよ。」



なんて悪態をつかれても、私には全然響かない。なぜなら今、私は推しの体温に包まれながら倒れているからだ。



こんなに美味しい状況はもう二度と来ないだろう。そう思い目の前の蓮水さんの身体をマジマジとガン見する。




そんな私を見てイラッとしたのか、蓮水さんは私からカメラを取り上げると、何を思ったのか上で倒れていた私の身体を自身の隣に来るように滑らせて、さりげなく私の頭の下に腕枕をして、、まるでカップルみたいにして一緒に並んで寝転んでいるような形になった。





──…何この状況、何この状況っ!?