「早く、脱げよ」

っと、上半身裸の推しに迫られる私はもう完全にキャパオーバーで、何も考えられなくなる。


静かに歩み寄ってきた蓮水さんは、グイッと私の腕を強く引くと、そのまま自分の腕の中に私を閉じ込めるようにして抱きしめる。


そして美しすぎる顔面をゆっくりと近付けて来たかと思うと、そのまま私の耳元に顔を埋めて、、



「俺のこの顔面(かお)が好きなんだろ?最高に気持ちよくシてやるよ、、カノンちゃん?」


耳元で名前を呼ばれ、ペロりと耳たぶを舐められた瞬間、頭の中で花火があがった。




「…しっ・・・死ぬっ・・」



全身の力が抜けて、完全に立って居られなくなった私は、目の前にある蓮水さんの胸板に顔面を思い切りぶつけるようにして倒れ込んだ。



突然の私の奇行に、蓮水さんは驚いて上手く防御することが出来なかったのか、近くにあったソファーに私が蓮水さんを押し倒すような形で倒れこんでしまった。



「っあ…だだだ、大丈夫ですかっ?!すみませんっ、余りにも刺激的過ぎて、脳がついていけなくてっ・・・」




テンパリまくる私の下で、見上げるようにして私を睨みつける蓮水さん。




「どうでもいいけど、さっさと退けよ。女に見下ろさせるのは趣味じゃねぇ。」



イラついた様子の蓮水さんに、私はとんでもない失態を犯したことに気が付き、急いで離れようとするけど、、




未だ目の前に存在する、上半身裸の推しの存在に、すっかり力が抜けてしまい立ち上がることすら出来なくなってしまっていた。