すごく行きたかった!

夏季限定の超怖いお化け屋敷!!!



「貸し切りだよ」



自慢気に言った彼は、貴椎(きしい)先輩。

詳しくは知らないけど、貴椎先輩の家はお金持ちらしく、貸し切りする事は普通みたい。

私は貸し切らなくても良かったんじゃないかと思ったんだけど…怖がり、絶叫し続ける貴椎先輩の姿を見たら、貸し切りで良かったみたいだ。

少しの間だけど、いつもかっこつけてばかりの貴椎先輩じゃなくて、面白かった。

…怖がっても、お化け屋敷から出るまで私の右手は……握ったまま。



「…楽しかったか?」



貴椎先輩に初めてときめいた瞬間。

今でも鮮明に覚えてる。

ずっと……忘れないよ。