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翌日、学校に向かうべく家でるその頃には昨日の夏稀に言われた言葉はもうあんまり覚えていなかった。




「 いってきまーす 」

「 行ってらっしゃい! 」


私より元気なお母さんに見送られて家を出て、


「 ……あれ? 」

昨日帰ってくる時にはなかったはずの水色の封筒。
郵便受けから少し飛び出るように入れられていた封筒には、『 ふゆへ 』の文字



私を ふゆ なんて呼ぶ人、私他に知らないよ

小さい時から見てきた字なんて、見間違えるはずがない。



…… 昨日、様子変だったし。


嫌な予感は止まらず、歩く途中で開いて読む。



──── カサッ、



2枚の便箋に、一枚の写真。




線の細い、男の人にしては綺麗な文字が並んだ便箋は、淡い青色の紙に雪の結晶が散りばめられた綺麗な手紙だった。




それは、夏稀の私への最期の言葉になった。