月影くんは顔を赤らめた。
文乃はそれをみて、
かわいいな、と思った。

「日も暮れてきたし、そろそろ帰りますか?」
と月影くん。

「あ、その前に」
月影くんが胸ポケットから
金色に輝く小さな栞を取り出す。

「これ、あなたに。僕の使っているものですが、
他にも同じのをもっているので」
と言った。

「え、いいんですか!ありがとう」