月影くんの、本を押さえている
細く白い手が、
本から離れそうになっている。

わたしはあわててそのページを
押さえようとした。

月影くんの手の上に、私の手が重なった。
強く押さえたので
月影くんが驚いて、目をひらく。

「ん…松下さん…?」
寝ぼけまなこで月影くんが、
わたしのほうを見る。