「あの、えっと…」

「ごめんね、怖かったよな」
城下くんが、頭をぽんぽんしてくれる。

「あっちで着替えてきな、
俺もこっちで着替えるから」
城下くんは少し気まずそうにそう言った。

「あの、わたし…」
「ん?」

「びっくりはしたけど、
怖いとか、いやとか、思わなかったです」
文乃は正直にそう言った。

すると、城下くんは、ほっとしたように
「ありがとう、でも今日はここまでね」

付け加えるように、
「俺の心臓がもたないからさ」
と小声で言った。