まだじーっと見つめてくる。
月影くんは、突然自分の眼鏡を外し、
わたしにかけさせてきた。

「えっなんですか?!
え…あれ、見え方が変わらない…?」

すると月影くんはふふ、と笑って、
「これ、伊達眼鏡なんです。
さっき、眼鏡を拭いている間、
ずっとわたくしのこと、見つめてたでしょう?」

わたしはびっくりして、言い訳すら見当たらず、
「え、それは…すみません!」
と謝る。