月影くんが持ってきてくれたお水は、
よく冷えていて、すこし檸檬の香りがした。

「本当にありがとう…」

「当然のことをしたまでですよ」
月影くんが、優しい微笑をうかべた。

手を伸ばせば触れられる距離に、
月影くんが、座っている。

文乃は、熱の影響なのか、
なんなのかわからないが、
胸の鼓動が早まっているのを感じていた。