「何ぼーっとしてるの、
松下さんも早く手を洗ってね」
先生に言われて、やっと自分が
彼をずっと目で追っていたことに気づいた。

「あっすみません…!今行きます!」

蛇口を捻って、
手にハンドソープをつけ
泡立てたはいいものの、
袖が下がってきてしまう。
このままじゃ、
袖口に泡や水がついちゃうなぁ、
なんて思っていたところ、
声を掛けられた。