「どういうことですか、城下くんは
クズなんかじゃないです!」

「ふみのん、俺の何を知ってるの」

そう言われて、言葉に詰まった。
たしかに、知り合って浅いし、
城下くんのこと、まだ知らないことが
たくさんある。

「ね、知らないでしょ。でも、
知らないほうが、いいこともあるよ。」

城下くんは、冷たい視線を
文乃に向けた。そんなことは初めてだった。