「ねぇ…嫌じゃない?」

「いや、じゃ、ない、です…」

城下くんが首筋をつーっと、
下から上へ指先でなぞり、
そのまま文乃の耳を優しく触った。

「ひゃ…」
変な声がでてしまう文乃に、
城下くんはいつもより低い声で、こう言う。

「初々しくて可愛い。
全部、俺だけが独り占めできたらいいのに」