文乃はみんなを見て、 すこしドキドキしてしまう。 物静かな月影くんが、 「松下さん熱でもあるんですか?」 と心配そうに 声をかけてくれたことで、 自分の顔が赤くなっていることに気づき、 恥ずかしくなる。 「い、いえ!大丈夫です!」 と私が言うと、月影くんは 「ならいいのですが…」と優しく微笑んだ。 オーブンから、ピーピーと音がした。 クッキーが焼きあがったようだ。