寝室からうなり声が聞こえたから、すぐに向かう。
寝室に入り、他に座るところもなかったから恐る恐るはなびのベッドに腰かけた。
それからすぐにはなびが眠そうに目を擦りながら起き上がったから、口から心臓が飛び出るんじゃないかと思うほど緊張した。
はなびの視線が俺を捉えた時、ただでさえ大きな彼女の瞳がさらに見開いた。
「はなび」
ずっと会いたかった彼女の名前を呼ぶ。
ぼんやりとした様子で何も言わずに俺を見つめるはなび。
心配になって顔色をうかがった。
「はなび、大丈夫?」
「……っかおる?」
少しの沈黙の後、はなびは泣き出した。
俺は内心どうしたらいいか分からなかったけれど、何とか頷いた。
「うん、そうだよ」
はなびは眉をしかめ、唇を強く噛んだ。
「ばか、馬鹿! 今まで何一つ連絡もしなかったくせに、どうして今になって……っ」
はなびの言っていることはもっともだ。俺は何も言い返せない。
はなびが拳で俺の胸をポカポカと殴る。これが結構痛かったりする。
「……泣くなよ、はなび」
結局そんなことしか言えなかった。
ほんと、口下手すぎて笑える。
「っうるさいー」