4月

みんなが憧れる青空高校に見事合格し

青春を謳歌しようと心を踊らせていたのも束の間

只今、宇佐見(うさみ)うさ 

大ピンチです

「なんではずれるの〜!」

と、クラスの一軍の女の子たちが騒いでる

やばい、入学早々、運が悪い

「うう、他の女の子たちの視線が痛い、、」

「くじなんだから仕方がないじゃんね?」

最悪な事態に頭を抱える私とは裏腹に

めんどくさそうにため息をつくのは

保育園からの幼馴染である

牧田(まきた)ちよ ちゃん

容姿端麗で頭も良い

仲良い人にはサバサバしててたまに毒舌

中学の時は高嶺の花なんて言われてたっけ

「ちよちゃん、私高校生活終わったかも、、」

「そこまでの事なの?(笑)」

そこまでの事だよ!!

今、なにがあっているのかというと

入学して約2週間の私たちは

来週行われる宿泊学習の班決め中なのです

女子2人、男子2人の班を作ることになり

まず一緒の班になりたい同性のペアを作って

くじ引きで同じ数字の異性のペアと班になる

という班決めをしていたのです

こんなにも青春を謳歌できそうなイベントで

私はもう、青春をあきらめています

「宇佐見さん、よろしくね」

爽やかな顔で私に微笑むのは

木谷(こたに) ゆずき くん

とてつもなく爽やかイケメンでとにかく優しい

そして、

「よろしく、」

佐伯(さいき) ちづる くん

木谷くんとは全く雰囲気が違う

毎日眠そうな顔にだるそうな話し方

こちらもとてつもなくイケメン

みなさんお察しの通り入学式の時から

全クラスの女の子たちの憧れの的なのです

そんな2人と同じ班になってしまいました

他の女の子なら大はしゃぎする所ですが

私は他の女の子に嫌われたく無いのです!

と言うのも、私はまだ入学してから

ちよちゃん以外の女の子と会話していないのです

お友だち増やしたいのに、、

「う、うん。よ、よろしく、、」

「牧田さんもよろしくね」

「はいどーも」

これから私は不安しか無いです