「あうあうおうおう……!!くっ…、ちくしょう……!」


「……ニーナ、嫉妬という嫉妬が全面的に出てる」


「わっ、唯(ゆい)ちゃんおはよう!」


「おはよ」



卓球部に所属しているお友達が、背後からポンッと肩に手を置いてきた。


今日も色白クール美人な浅村 唯(あさむら ゆい)ちゃんは、長いストレートヘアを涼しげになびかせている。

猫っ毛ボブなわたしは見るたびに羨ましいのと、1度でいいから埋まってみたい衝動に駆られる。



「………ねえ、近いから」


「だーっていい匂いするんだもん~。ハスハスしたいねえ、ここで生を終えたいねえ」


「変態くさいよ。それに終えちゃったらイッチーとも会えなくなるだろうけど、いーの?」


「だめっ!!生き返るわたし!!」



皆木 にいな(みなぎ にいな)、高校2年生。


わたしの朝はまず、所属している吹奏楽部の朝練から始まって。

みんなから声をかけられる人気者ティーチャーをぼうっと追いかけることで終わる。