「イッチーおはよ~!!」
「イッチー今日もめちゃイケメン!!」
「………おー」
「「きゃーーーっ!!」」
おー、ですって。
それだけで女子生徒をトリコにさせてしまうんだから、恐るべし。
たぶん彼に会うために登校してきている女の子たちだって存在しているはずだ。
「なあイッチー!このなかでどれがタイプ!?」
「…全員おなじに見える」
「うそだろ!?ちなみにオレはゆきぽん!おっぱいでけえわマジで!」
「その子がおまえを相手にしねーだろ」
「ひっでえ!教師なら生徒の良いところを見つけるべきだと思いまーーす!!」
「いいから早く教室に行け」
そしてその人気度は女子だけじゃなく男子生徒にまで。
ちょっと歳の離れた大学生のお兄さんみたいだから、すごく絡みやすいのだと思う。
朝練終わりの廊下にて。
音楽室から教室にまで移動する途中の廊下でまず最初に聞く名前は「イッチー」という愛称だった。